おとーさんが転んだ。

おとーさんと私。

心配で無駄にメダ活したり野菜の苗を植え替えたりコーヒー何杯も飲んだりしてしまう。しっかりしろ自分。本人の方がずっと心配なはずなのだ。

ここのところ、何度か庭で転ぶことがあったけれど、今回は車庫の外の路上。声をあげたので気がついた。仰向けのまま起き上がれず、後頭部に内出血。家に戻りかけたが歩けず植え込みに座り込む。会話は正常、吐き気などはなし。20分ほどしてようやく家の中へ。

転倒の直前、急に思い立って車で買い物に行ったらしい。お母さんにバラとカーネーションのブーケ、私にはプレモルを買ってきてくれた。車庫で運転の仕方がわからなくなる一面もあったと後で母から聞いた。その後の、転倒。

朝ごはんの〆にはフルーツもケーキも食べて、食欲はある。でも日にち・曜日がわからなくなっていたり、着替えが一人でできなかったり!と、頭部打撲で脳内に何かが起こっているのか、それとも最近ガクッとフレイルっぽくなったことの延長なのか。

フラフラよろよろ。靴の履き替えも一人では難しい。脳外科には絶対に行かないといい、いつもは車で行く歩いて5分のかかりつけ医に歩いて通院。医者の方も後期高齢者なので、期待していた脳外の紹介はしてくれなかった。詰んだ。

通院を勧めても不機嫌になるだけ。
むしろ毎日を楽しく暮らすことに徹した方がいいのだろうか。


どうしても心配になり、こっそりかかりつけ医に会いに行った。検査をしてくれるというので、お父さんにお願いしてもう一度通院してもらう。暑い日で、よちよち歩きで、大変だったと思う。。。

こちらは頭部外傷のレントゲンをお願いしたつもり、向こうは認知症扱い。私の確認の仕方が甘かったのか。いきなり認知症簡易検査を始めて、結果本人の目の前で「中程度の認知症だねえ」と言っちゃう。え!そんなに配慮ないの!医者としてどうなの!まあこの医者も後期高齢者でもう時期閉院するらしいけど、それにしても酷い。本当に酷い。私は自分の気持ちが落ち着かないからと父をこんな医者に連れてきたことを本当に悔いた。泣きそうだった。きっと父も泣きそうに違いないと思いながら。

意外にも、父は割とポジティブだった。「認知症」という単語が耳が悪くて聞こえなかったのか、すっぽり忘れてくれたのか。ただ足元は本当におぼつかなくて、帰宅までの5分の道のりも、庭の飛び石を渡る時も、玄関で靴を脱ぐのも椅子に座るのも立つのもお風呂に入るのも、本当に大変そうなのだ。

もし脳内出血していたら。入浴もお酒も絶対よくない。それでもウチはそれを止めないのが暗黙の了解。

お父さん。
まだまだ一緒にお酒を飲みたいからね。

私は、一生で初めて人に優しくしたいと切に思っている。こういうの、普通の人はもっとずっと若い頃から自然とやれていたのかな。とにかく、お父さんがニコニコして楽しく一緒に過ごせる日が1日でも長く続いてほしい。そのために私はとことん優しくありたい。