月刊おとーさん。2023年8月。

2023年8月6日。

久しぶりに、朝食が食べられない。
大好物のウインナーすら手をつけず、トマトとメロン以外全部をお皿ごと私に寄越す。

本人は首を寝違えたというが、胃腸の具合も悪そう。大丈夫？とかどこが調子悪いの？とかいう質問をすると途端に不機嫌化するため、私もおかーさんも聞きたいけれど敢えて聞かない。

身体の不調に加えて、精神的なものもありそうだ。老人性うつのケがあり、最近ダイレクトに体調に影響するようになった。今朝はよく眠れず早起きしてしまったらしく、昨夜また不機嫌になったことを反芻したり、色々よからぬことを考えてしまったりしたのかもしれない。

そういえばおとーさん、「眠れない」も最近口にするようになったな。少し前までは、すぐ眠れる・どこでも寝られると自慢げだったのに。。。

昨夜は、おとーさんのおかーさん、つまり私のおばーちゃんが亡くなった年齢の話になった。実際は78歳が正解だが、おとーさんは88だと思い込みあと2年頑張るという。自分の年齢を20年若く66と言ったこともあるくらいだからもう驚かないけれど。。。

ちなみに、昨夜のおばーちゃん享年問題で「え！？」と思わされたのはむしろおかーさんの方で、80だと最後まで頑なに主張。おそらく位牌に書いてある数え年を見てのことだろうが、つい先日まで「おばーちゃんの年に追いついちゃった」と言ってたのに、急にどうしちゃったの。
おかーさんは最近、自分の記憶違いを認めない。かと思えば何度か、色々忘れちゃうと言って泣いたりもする。もう細かいことは指摘しないほうがいいのかな。。。わからぬ。

おかーさんはまだ外に出られるので、できるだけ連れ出そうと思う。明日の車の1ヶ月点検も一緒に行くことにした。

2023年8月8日。

今日も昨日に引き続きおとーさんは弱々しかった。ちょうど転倒騒ぎ前後の、食べる量が減って•足元がおぼつかなくなって•テレビの前に置いた椅子から動かなくなって•なんとなく元気がなくて•声も弱々しくなって、のあの頃に戻ってしまったかのような。

もちろんわかってる、「よくなる」ことはないってことは。わかっているつもり。小康状態を繰り返しながら、結局は死に向かっていくのだということは、わかっている。それでも時折ふとこのまま「よくなる」錯覚に陥っているのに気がつく。

人生の先輩は、これから私が行く道を、体を張って見せてくれる。生まれた時から死に向かって生きてきたのだということを痛烈に教えてくれる。

2023年8月14日。

過去の日記を読んでみると、今月はずっと調子が悪いんだな。。。

夕食後にもう寝ると言って２階に上がってごろんは今までにも何度かあった。
でもそのことを覚えていない・前後の記憶が全くないのは初めてかもしれない。

おとーさんは私に似てとてもめんどくさいやつだけど、だからとても面倒だけれど、でも今日から全力で幸せにしようと思った。

2023年8月15日。

今日も調子悪くてずっとご機嫌斜め。散歩もなし。最近のルールは「夕食には日本酒一合」だったけれど、焼酎オンザロックを一合以上。突っ込まれると不機嫌。

体調が悪い時、家族にそれをシェアしてくれるといいのになあ。特に母には思いっきり不機嫌攻撃をぶつけるんだよなぁ。。。仕方のないことだとはいえ、みんな辛いね。。。

夕食後はちょっと調子が良くなって、バスケを観ながら晩酌。
調子良く朝が来ますように。

2023年8月16日。

元気がない。夕食のタイミングが一番元気がない。左胸の辺りを触っていたから、心臓だろうか。。。
そうすると辛さを誤魔化すためか、気持ちを鼓舞するためか、酒量が増える。今日は焼酎オンザロック2杯。。。

やっと就寝したと思ったら、花火の音で8時過ぎに起きてきて隣室で飲み始めた。しばらくすると大きな音。駆けつけると、椅子から転がり落ちていた。ひとまず怪我なし。
キャスターのついた椅子なので危険なのだ。何度か同様のことがあったので、1ヶ月ほど前に椅子を変えてみたのだけれど、椅子が変わったことを忘れてしまってキャスターのついていない椅子をついているかのように転がそうとする。余計危なそうだったのと、動かないことで不機嫌になるのとで、椅子チェンジは諦めた。でも。。。不安だ。

本人は、こういうことがあると落ち込む。可哀想だけどどうしようもないんだよな。。。
せめて明日は買い出しに行って、好きなフルーツを色々買ってこよう。